天神の中心部、繁華街の中にひっそりと静かに佇む鎮守の杜。賑やかさはないけども、この静けさが心地いいんですよね。
「若宮神社」は天神の繁華街に佇む癒しの空間
市営地下鉄天神南駅から少し歩いたところ、今泉1丁目、国体道路沿いに鎮座する若宮神社。繁華街の中にありながらひっそりとした静けさに包まれた鎮守の杜。
神社という神域が持つ厳かな雰囲気と、まわりの街並みとのギャップが心地よい神社です。
若宮神社があるのは、天神の繁華街「西通り」の南側、国体道路沿い。西通りはファッションビルなどが立ち並ぶ天神2丁目と、ブティックや飲食店、オシャレな路面店が路面店が立ち並ぶ大名との間を南北に通る道。
リンゴのマーク、アップルストア福岡天神の南側、斜め向かい。
若宮神社前の通りは国体道路、東側から西鉄福岡駅、地下鉄天神南駅方向。こんな雑居ビルが立ち並ぶ、ビルとビルの間にひっそりと神社はあります。
繁華街の中にあっても厳かな静けさに包まれている境内。
祭神「豊玉姫命(とよたまひめのみこと)」は古事記に登場する女神。海の神「海神(わだつみ)」の娘、神武天皇の祖母。
神武天皇との関係は複雑で、豊玉姫は陸で狩猟が得意な神「山幸彦(やまさちひこ)」の子供を産む。豊玉姫は山幸彦に出産を覗くなといったにもかかわらず、山幸彦は覗いてしまう。すると目の前で巨大なサメが出産中。
豊玉姫は真の姿を見られてしまったために、子供を置いて海へ逃亡。その子を豊玉姫の妹である「玉依姫(たまよりひめ)」が育てるのだが、豊玉姫の子が大人になると育ての親である玉依姫と結ばれて子供が生まれる。その子がカムヤマトイワレヒコ、つまり日本の初代天皇「神武天皇」なわけなのですという、なかなか複雑な家庭事情。
ご神徳は商売繁盛と安産や子供の守り神、火難水難除けの神様としても祀られています。
鳥居をくぐって境内へ、右手にある立派な建物が社務所。
境内にある古そうな石。こういう場所にも何か意味があるのだろうけども、説明とか全くないんですよね、いつも。こういう細かい所も一つ一つ説明があると、もっと神社を楽しめるのに。
もはや神社は参拝するための宗教施設としてだけでなく、日本人の憩いの場であり民族のルーツや歴史を伝える重要な施設だと思うんですよね。
隣地との境にある古い石積みとレトロな煉瓦塀。これは古いね、見事な壁です。
更に奥へ入っていくと、見事な大楠。樹齢は百年単位でしょうね、福岡市内では珍しい巨木です。お隣の佐賀には樹齢数百年から千年クラスの楠の巨木がボコボコ立ってますけど…武雄に行けば3000年の楠が3本。
拝殿、本殿の神域の前、神門から入ってきた方向を見てみます。目の前は交通量の多い国体道路。
手水舎(ちょうずや)の水盤には貝のオブジェ。
安産のお守り、子安貝のオブジェだったんですね。
手水を済ませて、門をくぐって拝殿へ参拝します。
若宮神社の拝殿。
門から拝殿、幣殿、本殿の並び。
拝殿前から参道、鳥居の方向。国体道路にバスが見えます。
境内の半分くらいは駐車場になっていました。おそらく月極だと思われます。街なかにある神社だけに、これはしょうがないのでしょうね。
若宮神社がこの場所に建てられたのは約300年前の1713年。元は724~749年、日本は奈良時代で遣唐使が送られたり大仏が作られた時代に海岸の近くに建てられた海の守り神。神社の看板によると、舞鶴1丁目あたりにあったそうです。
天神の繁華街にあってホッと一息つける静かな空間、鎮守の杜で癒されるのもいいですね。
「若宮神社」
住所:福岡市中央区今泉1丁目19−17
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