ほら、お母さんが忙しいときとか、チョット今日はきついから手抜きでチャチャッと済ませようとか、そういう料理の定番ってあるじゃないですか。筆者の実家がある関西ではそれが「お好み焼き」だったりするんだけれども、福岡だとやっぱり「チャンポン」だと思うんですよね。
博多のソウルフードはチャンポンなんじゃないか?
お母さんが手抜き工夫した簡単料理って言うのは、地元で愛される、いわゆるソウルフードと呼ばれる料理とリンクしている気がするんです。大阪でお母さんが簡単に済ませたい時は「お好み焼き」が定番であるようにね。他所から移住してきた者からすると、博多ラーメンとか博多うどんとかイロイロ言うけども、福岡のソウルフードというのは実はチャンポンなんじゃないかと感じるんです。だってそうでしょう、福岡に来て思うのはメニューにチャンポンがある店が多いこと多い事、定食屋や中華料理店、ラーメン屋にうどん屋やカフェまで、至る所にチャンポンを食べさせてくれる店がある。スーパーに行けばチャンポンの麺やスープ、具材まで簡単に手に入る。ソウルフードというのは余所に向かってアピールするものではなくて、気が付いたらというかあまりにも定番すぎて地元の人の意識にものぼらないうちに食べている物じゃないかと、そして福岡のソレはチャンポンじゃないかと思うんです。
美味しい福岡グルメは数あれど、なんだかんだで地元で一番愛されている料理っぽく見えるチャンポン。休日の昼食を何にしようか迷っていて、弁当を買うのも味気ないしパパッと作ってみることにしました。福岡に住んでいるとね、ほんと作っちゃうんですよ、簡単だから。
チャンポンの材料を買いに行く
福岡市内の農家が出品する農産物直売所「じょうもんさん」
福岡は都会と田舎が共存していて、そのいいとこ取りが出来る素晴らしい街。ちゃんぽんの具と言えば何と言っても野菜、その野菜を買いに近所の直売所へとやってきました。この直売所の周りは一面の田園風景、見渡す限りの畑が広がっているんだけど、普通に福岡市内だからね。
店内には近所の農家が今朝並べたばかりの新鮮野菜がずらり。
ギュッと締まってない早生キャベツにするか、普通のキャベツにするか迷うところ。
チャンポンの具で定番といえばもやしなんだけれども、どうしてもあの味が好きになれない。なのでキャベツをメインにして後は適当に作ってみようと思う。焼いて煮るので、ここでは柔らかい早生よりも普通のキャベツをチョイス。早生も柔らかくて美味しいんだけどね。
福岡のご当地スーパー、にしてつストアのレガネット。
残りの具を買うためにスーパーへ、福岡にはご当地スーパーが何社かあって地元ならではの食材が売られていたりする。16の県に引っ越したんだけれども、地域の人たちの食生活が良く分かるので楽しいんですよ。
レガネットで売られていた蒸しチャンポン。
麺売り場に来てみると、ゆで麺でチャンポンが沢山売られているのは当たり前として、なんと北九州の戸畑チャンポンで有名な蒸し麺が売られていました。佐賀に行くと生めんタイプも売られていたりして、チャンポンと一言で言ってもなかなか奥が深い。
今日は珍しい蒸し麺を使ってみます。
チャンポン麺と一緒に売られているスープ、粉末と液体タイプがあります。
一緒に販売されているチャンポンスープには粉末と液体があり、粉末はなんとなく味気ないので液体スープをチョイス。一人分しか作らないので希釈タイプではなくストレートスープでいきましょう。あとは家にある材料と合わせてチャチャッと作ります。
簡単で手間いらず、具沢山チャンポンを作る
直売所で購入した朝採れキャベツ
スーパーで買って来た蒸しチャンポン麺とストレートスープ、練り物のちゃんぽん・焼きそばの具。
キャベツは新鮮な朝採れキャベツ、生産者名もちゃんと入った直売所で買ったもの。普通のスーパーなんかだと外側の葉の部分は剥がされていて、艶のある固い玉だけになってるんだけど、直売所のキャベツは大きな外側の葉が付いたまんま。新鮮な証拠です。
スーパーで購入したのは麺とスープ、後は練り物の盛り合わせみたいな具のセット。これに家にあった人参と豚コマを使えば具沢山のチャンポンになるず。
材料は適当にカットしてみました。
キャベツと人参は麺と一緒に食べやすいようにやや細目にカット、豚コマも適当なサイズに切っています。
切った野菜を、熱してオリーブオイルをチョット入れた中華鍋に投入。
ささっと炒めたところへ豚肉を
豚肉に火が通りかけたらチャンポン・焼きそばの具を入れて軽く炒める。
具を炒めたらそのままスープをジャバッと入れる。
チャンポンって本当に簡単なんですよ、スープを一から作るとか言い出すと家庭じゃ無理っぽいけど、福岡には簡単に作れる材料がスーパーで売られています。材料のカットもアバウトというか、敵というにザクザク切るだけ。中華鍋一つで炒めて煮て、麺を入れるだけ。
スープを入れたら続いて湯に通しておいた蒸し麺を入れる。
今回は蒸し麺を使っているので事前に湯通ししているけども、ゆで麺を買ってくればそれすら不要。麺をそのまま入れるだけ。生めんも事前にゆでる麺、生めんはモッチリして美味しいんです。ただ西鉄ストアでは売ってませんでした…残念。売ってるスーパーもあるんだけどね。
そのまま軽く煮込んだら完成。
ラーメンとチャンポンの違いは何かと調べてみたら、麺と具とスープを別々に作るとラーメンで、全部一緒に煮込んだらチャンポンらしい。最後は全部一緒に煮込むからこそ全体の調和がとれるというか、美味しくなるのがチャンポンなんだよね。
軽く煮込んでドンブリに盛り付けると出来上がり、ほんと野菜のカットから初めて30分もたってません。パパっとできて野菜もたくさん食べられて、しかも美味しいというお手軽な手抜き料理。大盛にしたければ、この倍で作ればいいだけなので手間は同じ。しかも洗い物も最小限に出来るという優れもの。
大阪や兵庫といった関西ではあまりスーパーでチャンポンを見かけないんだけれども、福岡にはチャンポンがある。やっぱ地元で愛されている料理だけに、どこでも手に入るんですね。
戸畑チャンポン特有の蒸し麺タイプのチャンポンも、なんとなくスナック麺っぽさがあって独特の食べごたえ。戸畑まで実際に食べに行ったこともあるけど、お店の麺と比べてそん色ありません。スープなんかの味は違うけどね。
長崎だけじゃない、福岡もチャンポンだった
今回のチャンポンは殆ど味付けはしてなくて、塩コショウくらいしようかと思ったけど塩分は控えたいし…オッサンだから。それでもスープも美味しくて、練り物と豚の旨みがシッカリ、野菜もいためて香ばしくなってるから十分味は濃かったです。
やっぱ地方移住はいいもんですよ、チャンポン作るだけでも朝採れ新鮮キャベツが簡単に手に入ったりするし。福岡タワーが見える場所で、普通に広大な農地が広がってますからね。季節に応じてチャチャッと新鮮野菜を使った家庭料理が楽しめる。今回はキャベツの4分の1も使ってないんだけれど、残った分はキャベツタレで生のままバリバリやるのが美味しいんです。
福岡のキャベツタレ、知りません?てか、筆者も福岡に来て初めて知ったんだけど。また機会があったら紹介しましょう、美味しいから、マジで。
福岡は野菜も魚もウマい!料理として美味しく食べさせてくれる店となると東京がやっぱりダントツだけど、素材が持つ本当の美味しさを味わえるのは地方の産地ならでは。これは都会じゃなかなか真似できません。う~ん、いい街だ。
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