福岡天神「飯田覚兵衛屋敷の大銀杏」武家屋敷跡に残る樹齢400年余の大木

飯田屋敷大銀杏

福岡藩黒田家の家臣で、中老の家格だった飯田家屋敷跡に残る大銀杏。

「飯田覚兵衛屋敷の大銀杏」江戸時代初頭から現在まで同じ場所にある銀杏の大木

福岡城の東、現在の地下鉄赤坂駅付近にあった赤坂御門から東やや北。現在の福岡市中央区役所から斜めに筋向い、江戸時代初頭から残る大きな銀杏の木があります。この木は「飯田覚兵衛屋敷の大銀杏」と呼ばれる市の保存樹で名前の通り黒田家家臣、飯田家の屋敷にあった銀杏の木。

飯田家は飯田直景(なおかげ)を祖とする福岡藩中老の家柄。直景は肥後熊本の加藤清正の幼なじみかつ側近として仕えた武将で、勇将加藤清正の一番備え侍大将として先方を務め、武勇の誉れ高く槍の名手として日本槍柱七本や加藤十六将、加藤家三傑の1人に数えられる。また土木普請も得意で熊本城の180mにもおよぶ三の丸百間石垣などは彼の功績といわれ、「飯田丸」と郭にも名を残す。加藤清正没後に加藤家が改易となり、黒田家に召し抱えられました。

飯田屋敷大銀杏1

福岡市中央区大名にある中央区役所。江戸時代、この辺りは家格の高い藩士が屋敷を構える屋敷街でした。

飯田屋敷大銀杏2

中央区役所の筋向い、少し西にズレたところに「飯田覚兵衛屋敷の大銀杏」はありました。枝を落とされているものの、幹は巨大で迫力満点。樹齢400年と言われる大銀杏、飯田家屋敷の庭に植えられていたもので、直景が肥後を去る際に自身が普請奉行を務めた熊本城から持ってきた苗木を植えたものだと言われ、現在も当初植えられた場所にそのまま残り、この場所で福岡の歴史を見続けてきました。

飯田屋敷大銀杏3

銀杏の根元に建てられていた案内の碑。大銀杏の由緒が書かれています。

飯田屋敷大銀杏4

現在この屋敷跡はマンションが建築中。以前はもっと近くによることが出来たんだけども、いまは保護のために囲いがしてあります。

日本の住宅の1/3以上が空き家になると言われているこの時代に、いまだに新築マンションなんだよね。建てなければディベロッパーは潰れてしまうんだろうけども…安川は過去に西日本では大手デベロッパーの住宅販売会社で働いてたのよ、リーマンショックで民事再生になったけどね。マンション屋なんて因果な商売ですけど、この立地なら買う価値あるかな。マンションというか住宅を買うなら立地9割、その他1割ですよ。元住宅販売の不動産営業が言うから信じてね。

飯田屋敷大銀杏5

で、話をもどして、この木は保存樹に指定されているものの、実際はかなり朽ちてきて中は空洞になっているそうです。また太い枝も切り落としたのだとか。この大銀杏は樹齢400年と言われていますが、古い木だと1500年を超える銀杏もある事からまだまだ頑張って欲しいんだけど、やはりこの立地は木に優しくないんでしょうか。

そういえば佐賀の武雄で樹齢3000年を超える楠を2本みたんだけど、凄いよね古い大木って。神話時代の生き残り、神々しさがありました。

飯田屋敷大銀杏6

大銀杏の再生治療を説明する看板。「ひこばえ」と呼ばれる新芽を大きく育て、空洞化した中心部には遺伝子の近い別の銀杏を植え、ひこばえと一緒に育てて一本化させるという方法。

もはやオリジナルと別の木になってしまうんじゃないかというお話ですが、やはり一度失うと全く同じ姿を取り戻すのは不可能なのかもしれません。残念な事ですが。

飯田屋敷大銀杏7

中心に植えた銀杏と、周りから生える新芽である「ひこばえ」が大きくなると元あった古い木の部分を取り除くそうなので、オリジナルの姿もそう長く見る事が出来ないのかもしれません。

目に見えるものよりも、存在の意味を知ろうとすれば楽しさ倍増

数十年後には真新しい綺麗で元気な銀杏になっていると思うのですが、それでもここに飯田直景が銀杏を植えたという事実は消えません。

直景が仕えた加藤清正は、豊臣秀吉の親戚であったことから鍛冶屋の息子から武士として取りたてられ、肥後52万石の大名まで夢のような大出世。若くから共に清正と過ごした直景は、豊臣秀吉という英雄に従い大いに活躍する清正と共に手柄を重ね、清正が屈指の大大名となるまで側近として支えた功臣。想像もつかないほどの栄光を掴みとった二人。しかし運命は皮肉なもので、清正没後、息子の代で加藤家は改易され没落。加藤家の栄光と挫折、直景はその全てを側近として、また重臣として見てきたんです。福岡に来た時の心の内はどのようなものだったのでしょう。

この銀杏は肥後熊本城から苗木を持ち込んで植えられたと伝えられています、どのような思いで銀杏を持ってきたのか、そして自宅の庭に植えたのか。数百年前の人物ではありますが、そうやって想像してみると随分身近に感じられる気がします。傷心の古強者が福岡で新しい生活を始める、そこに熊本から持ち込まれた銀杏の苗、清正との思い出、主人の息子を、主家を支えきれなかった無念。同じ場所に立ち過去に思いを馳せ、そこに生きた人の心の内を探ってみる。

都会の真ん中にポツンと立つ銀杏の大木、ただそこにある姿だけでなく、この木が植えられた意味を考えると目に見える姿以上に大きな存在として感じる事ができます。そしてこの場所で思いを通じさせ、この銀杏を見上げる事で、過去から現在へと受け継がれてきた人の営み、歴史の連続性というものをリアルに感じる事が出来る。

歴史って面白いですよね、だからもっと多くの情報を分かり易く見える場所に掲示してほしいんです。目に見えるものだけが全てじゃない、そこに存在する背景を知ることで楽しさは何倍にも増幅されていくのですから。



「飯田覚兵衛屋敷の大銀杏」

住所:福岡市中央区大名2丁目10

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