「はかた伝統工芸館」櫛田神社の隣、博多に伝わる伝統工芸品の展示館

博多の伝統工芸である人形や織物、曲げものなどが展示販売されている資料館。櫛田神社の隣なので、観光スポットとしても人気なのです。

「はかた伝統工芸館」博多の人気観光スポット川端にある展示館

古くから外国との貿易港として栄えた博多には、海外から様々な技術がいち早くもたらされました。室町末期の戦乱で博多の町は荒廃してしまいますが、豊臣秀吉による太閤町割りによってふたたび息を吹き返します。その後の鎖国政策で主要な商業都市としての機能は失われ、中世のような勢いを無くしたものの、福岡藩の城下町として発展を遂げてきました。そんな博多で受け継がれてきた伝統工芸を一堂に集めたのが「はかた伝統工芸館」です。

ということで「はかた伝統工芸館」に行ってきたので紹介します。

櫛田神社のスグ隣なので立ち寄りやすいんです

博多伝統工芸館1
博多の観光スポット、川端地区に建つ和風の建物

蔵のような外観を持つ「はかた伝統工芸館」の建物。そんなに大きくないけども、博多の伝統工芸品の常設展示と販売、各種イベントも開催される。

博多伝統工芸館2
はかた伝統工芸館の隣には櫛田神社の北門が見える。

観光客が多く訪れる川端にあって、櫛田神社のとなり。近くには「博多町家ふるさと館」もあり、博多の伝統に触れながらの観光に最適の場所。

博多町家ふるさと館の記事↓

博多伝統工芸館3
川端商店街のアーケードからも近い。

脇の道を真っ直ぐ突き当たった先は川端商店街のアーケード、伝統工芸には興味が無くとも近いのでついでに立ち寄ることが出来る好立地。

博多伝統工芸館4
ウッドデッキにカフェまで備えている。

筆者はダイソーならよく行くのだけども、貧乏なので伝統工芸とは縁が無い生活をしている。普段は目にしない物だけに、こうやって展示されている場所があると聞けば一度は覗いてみたくなるんだよね。

ということで「はかた伝統工芸館」の入り口へ。どうやら館内にはカフェもあるらしい。

1階は伝統工芸品の販売とカフェ、そしてイベント会場

博多伝統工芸館5
受付というか事務室のような場所と、展示販売されている工芸品。

引き戸を開けて中へ入ると左手に事務所のような場所、右手にはずらりと伝統工芸品が展示販売されている。正面の奥にはイベントスペースがあり、しょっちゅう何かの展示が行われています。

博多伝統工芸館6
入口脇の壁にかけられた入館案内。

博多伝統工芸館7
博多織で作られた工芸品の一部。

どうせ高くて買えないだろうと思って売られている商品を見てみると…あれ?意外と安いんじゃね?ぶっちゃけ、これくらいなら筆者でも買える値段。博多織の細かい模様が美しい工芸品の数々。

博多伝統工芸館8
毎日のように特別展示が行われているイベントスペース。

この日はキツネ面がたくさん展示されているイベントだけれども、ほぼ毎日のように特別展示のようなイベントが開催されている部屋。カフェともつながっていて、立ち寄ってみようかと思ったんだけど身内でワイワイやってるような雰囲気で、中に入っていく勇気がありませんでした。

同じ趣味を持つ人同士、コミュニティが形成されていて楽しそうな雰囲気だったんだけど、筆者はコミュ障なので声をかけられそうな場所は怖くてダメなのです。

博多伝統工芸館9
壁一面に展示されている博多人形、これも販売されています。

1階を抜けて2階の常設展示スペースへ、階段へと向かう通路の壁には博多人形がずらり。

博多伝統工芸館10
2階の常設展示スペースに向かう階段、エレベータもあります。

博多人形の販売スペースを抜けて、いよいよここからが本番といいますか、はかた伝統工芸館の常設展示室へと向かっていきます。2階建てでもちゃんとエレベーターが設置されていて、館内は完全なバリアフリー。トイレもここにあります。

博多伝統工芸館11
階段の途中にある手形、一体誰のものなのか…

二階へ行こうと階段を見上げると、沢山の手形がありました。いったい誰の手形なのか気になりますよね。

博多伝統工芸館12
坂東玉三郎と中村獅童の手形

博多伝統工芸館13
羽生善治永世7冠の手形だ!すげぇ

手形には名前が記載されたプレートが付いていて、誰のものか見ていると歌舞伎役者が多いんでしょうか、坂東玉三郎とか中村獅童とか聞いたことのある名前がチラホラ。けど知らない人も多いなぁ。坂東玉三郎だって名前は聞いたことがあっても顔は知らないもん。そんな中にスゴイ大物発見、将棋界のレジェンド羽生善治永世7冠の手形ですよ。

博多伝統工芸館14
羽生永世7冠の手形にタッチ!

この手形、触れ手形というらしく「どうぞ手形に触れてみてください」とかいてあったので、羽生永世7冠の手形に自分の手を重ねてみました。すんげぇ大人物だから手もデカいのかと思いきや、ほとんど同じサイズ。なんか握手したみたいな気分になりますね、これで少しは賢くならないかなぁ。

博多伝統工芸館15
ずらっとならんだ触れ手形、知ってる人がいたら是非触れてみてください。

展示されていた手形は全部で11枚、ただの手形なんだけど形がシッカリしているから手を合わせてみると不思議な感覚。凄い人だといっても、手は普通の人と同じだという事が分った。当たり前だけど。

2階常設展示室、福の神がメンチきってます

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はかた伝統工芸館2階、常設展示室の入り口

2階の常設展示スペースの前、すごい視線が室内から注がれています。「誰にメンチきっとんじゃぃ!」と思って正面を見ると、博多人形でできた福の神が凄い笑顔で出迎えてくれました。

博多伝統工芸館17
入って左手、博多織の展示スペース

展示室に入るとすぐ左手が博多織の展示スペース。入り口の所に座ることが出来るベンチのような場所があるんだけども、オバチャン達がお菓子を広げてたむろしておりました。なんかこういうゆる~い感じが下町っぽくていいですよね、最近は細かい事にうるさい人が多すぎ。もっと人の行いを許して楽に生きましょうよ、寛容さが大切、肩ひじ張ってちゃ疲れてしまう。

博多伝統工芸館18
博多織をアップで撮影

なんかどこかで見たことがあるような織物、ぶっちゃけ筆者には博多織なのか他の織物なのか区別はつきません。ただすごく細かいストライプとか模様がはいっているんですよ、これを織機を使って手で作ってるんだから凄い集中力と労力。やっぱ職人さんは凄い。タキシードとウェディングドレスの展示もあったんだけど、他とどう違うのかよく分かりませんでした。

博多伝統工芸館19
博多人形の展示スペース

続いて博多人形の展示スペースへ。博多人形の技術は1600年に黒田家が福岡入りしてからのものだそうで、多くの職人を呼び寄せ、そこから素焼き人形が誕生。現在のような形になったのは明治時代の末期からなので、意外と歴史は浅いのかもしれない。博多人形という名前が生まれたのも明治時代末期の頃。

博多伝統工芸館20
公式サイトからダウンロードしたパンフによると、江戸時代の博多人形らしい…

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明治時代初期から中期の博多人形

江戸時代から明治時代中期頃までは現在の博多人形とは製法からして違うようで、展示されている作品の中で江戸時代のものは仏像だし、明治初期、中期の作品は簡素というか素朴な焼き物人形といった感じ。

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明治末期から大正時代に活躍した作家の作品

明治時代末期になると現在の博多人形の原型というか、石膏を使って型を取る製法が定着してリアルな人形が誕生し始める。

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昭和に入るとこの通り

昭和に入るとさらに技術が向上し、作者ごとの個性がほとばしるような芸術作品が生み出される。まるで本当に怒鳴りつけられているような怖い顔したお坊さん、凄い迫力。

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現代の博多人形

これこれ、こういう感じが博多人形。筆者が持つ博多人形のイメージというのは、こういう感じなんですよ。少しデフォルメされているんだけれども、人間の特徴をすごくよくとらえていてリアルなものよりも人形らしくて美しい。北海道の熊の置物と双璧を成す置物系お土産の定番中の定番であり、王道をいく置物人形。

それにしても細かい所まで凄いよね、人形の造形だけでなく絵も繊細で美しい。

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リアルすぎる博多人形

いかにも博多土産の置物っぽい博多人形だけでなく、こんなにリアルな博多人形までありました。この人形は焼き物ではなく木造で、おがくずを使って肉付けされているそうです。博多地区周辺の遊郭の一室に合ったものだそうです。

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はかた伝統工芸館のイメージキャラクター的な存在の「福の神」

そして入り口から見えていたこの博多人形は「福の神」という人形。博多織と博多人形のコラボ作品で、来館者に福が来るようにという願いを込めて作られたもの。来て欲しいよね、福…

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博多織、博多人形以外の伝統工芸品

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マルティグラスに博多張り子、そして博多矢

マルティグラスというのは色の異なるガラスを何層も重ねて、見る角度などによって様々に色が変化するガラス。張り子と矢は他の地方とどう違うのだろう…わざわざ博多と付けているけども、日本各地で作られていたものだけに大きな違いは無さそうなんだけれども。

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博多鋏と博多独楽

大量生産品に囲まれて育ったからか、こういう職人が作った物は質感が圧倒的に違いますよね。独楽も鋏も見ただけで全く違う。大量生産品は軽く見えるけども、手作りには重量感があります。

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鋭利な武器を思わせる武骨なデザインと、厚みのある鉄。

博多鋏なんてほら、実用重視で華美な装飾がない。短刀や手裏剣のような武器を連想させる武骨で鋭利なシルエット、頑健さをアピールするような鉄の質感。すごいね、カッコイイ。必殺シリーズで仕事人が使っていても全く違和感が無い。持っていたら思わず必殺シリーズの効果音をバックにポーズを取ったり、人に見せびらかして自慢したくなる鋏ですよ。

伝統工芸品の数々、本物を見るのも大事だと思った

ブログのネタにと思って何気なく立ち寄ってみた「はかた伝統工芸館」なんだけども、全くコッチ方面に興味を持たない人間の目で見ても職人が作った本物の工芸品というのは大量生産品と全く違うと思ったね。なんといっても質感が違う。

大量生産のチープな商品に囲まれて生活しているわけだけども、そんな中から良い物とイマイチな物を見分けるスキルを身に付けるなら本物を見るのが一番なんだと思う。

日本各地に伝統工芸と呼ばれる職人の技が受け継がれているんだけど、全てがこれから先も続いて行くわけじゃないと思うのだけど、少しでも多くの技が伝承されていくように応援していきたいですね。

今まで全く興味が無かった分野、見学した動機としては大したものじゃないけども、実際に目にして興味を持つことが出来た。次は何か買えればと思うんだけど…とりあえず全く知らなかった世界を知ることができ、博多の伝統工芸というものが気になるようになった。これだけでも施設の存在意義としてありなんだと思う。少しでも多くの人に見てもらい、なにかを感じてくれる人が増えればいいですね。



「はかた伝統工芸館」
住所:福岡市博多区上川端町6-1

Googleマップへ

開館時間:10:00から18:00(入館は17:30まで)
休館日:毎週水曜日(祝日の時は翌日)、年末年始12/29~12/31

※この記事は私が訪れた時のものです、現状と異なる場合があります。最新情報、詳細はご自身で確認することをおすすめします。

はかた伝統工芸館公式サイト⇒http://hakata-dentou-kougeikan.jp/

すぐ隣の櫛田神社の記事はコチラ↓

 

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