地獄体験に博多大仏、福岡藩主黒田家の墓所、見どころ満載の博多を代表するお寺。最後に動画を貼ってます。
「東長寺」博多のメインストリート大博通りから見える大きなお寺
地獄めぐりのような今風のアトラクションもある、見どころ満載のお寺ですねぇ。福岡に来て間もない頃、博多駅へバスで向かう途中に大きな寺があって気になってたんです。なんという寺なんだろう?と調べてみると、東長寺というお寺で博多でも有名な観光スポットになっていました。
場所は博多駅から北へ、地下鉄で行くと隣駅の祇園駅1番出口を出てすぐの場所にあります。
806年、唐から帰国した空海によって創建されたお寺。空海といえば弘法大師。日本の密教、真言宗の開祖。教科書にも出て来るような、とても高名な僧によって開かれたお寺。
江戸時代にかかれた東長寺の絵図も一緒に紹介されていました。ただ、この絵図には大仏殿も五重塔も描かれていませんねぇ。
大博通り沿いに建つ、重厚な山門。いつ頃建てられたものかは書かれていませんが、迫力ある門。
門の仏像。なかなかスタイリッシュな仏様です。四天王の一人「増長天」南方の守護神です。
反対側には北方を守護する「多聞天」の像がありました。こういう仏像が密教寺院っぽいですよね。
山門を入ると、スグにお地蔵様。霊場巡りの札所になっています。
壁沿いにもずらり並んだ仏様、四国四十八か所の本尊を模した石仏です。
日本最初の霊場ということで、さぞかし歴史ある建物があるのかと思いきや…本堂は新しい建物、残念!だけども、大きいので迫力があります。
市指定の文化財「六角堂」1842年に建てられました。毎月28日の不動護摩供えと博多ライトアップウォークの際に開帳されます。
中はこんな感じ、案内板にあった写真です。回転式になった六角形の仏龕(ぶつがん)が収められています。仏龕(ぶつがん)とは位牌や仏像などを収める為に壁面や室内に設けられた場所や小部屋、あるいは容器。
瓦には凡事が刻まれています。
このカット、東長寺で一番有名な場所じゃないでしょうか、朱色の五重塔が緑に映えてメチャ綺麗。江戸時代の絵には描かれていませんが、こちらの五重塔は総檜造りで高さは26メートル、2011年に完成しました。
5層の塔の最上部、双輪(一番上の金色の部分)にある伏鉢には、空海が持ち帰った仏舎利(お釈迦様の骨)が治められているそうです。
塔の隣には、大師堂がありました。大師堂とは主に真言宗で弘法大師を祀るお堂を指すことが多いようです。
大師堂には巨大な数珠のようなものがかかっていました。引っ張ると、木の玉が落ちてきてカチンと大きな音が鳴ります。
周りにある木の根元に、ふと目をやると
庭石やオブジェかと思っていたら、石臼だったんですね。
寺の中から本堂を見てみると、大きさが良く分かって迫力満点。大仏殿も見えます。
福岡藩主の黒田家墓所といえば黒田官兵衛や長政が眠る崇福寺が有名ですが、ここ東長寺にも藩主が葬られています。
福岡藩主の墓所一覧表がありました。東長寺に葬られているのは二代忠之、三代光之、そして八代の治高。東京にも墓所があります。
東長寺に葬られた藩主の墓所配置図。
さすが藩主の墓所だけあって、巨大なお墓です。
そして興味深いのが・・・まず2代忠之公の墓所。「前筑州太守」とあります。
こちらは「故筑前国主」
最後に「前太守筑前侍従」
この墓所は江戸時代のものですから、太守とえいば国持ち大名を指し、国主は一国以上の領地を持つ大名を指したそうです。侍従は従四位下という官位の人が就く官職で、江戸時代には10万石以上の国主大名が任命されました。
なるほど・・・同じ江戸時代でも時期によって微妙に言い方が違ったのかもしれませんね。
一通り境内の散策を終えたので、公開されている建物の中へと入っていきます。まずは本殿で仏様にご挨拶。
そのまま回廊を抜けて大仏殿へと向かいます。
しっかし、りっぱなお寺さんですねぇ。しかも近代的な建物なので、不思議な感覚です。まあ、迫力はありますが、風情はないですよね。
この階段を上がると大仏殿です。
大仏殿は撮影禁止なので、福岡市の公式フリー素材サイトから写真をお借りしました。大仏の完成は1992年、平成に入ってから完成したものです。
親父の弟が奈良に住んでいた関係で、子供の頃から奈良の大仏は何度も見に行きましたが、新しい大仏というのも新鮮ですね。特に顔の造りが凄いんですよ。写真じゃ伝わらないですけど、大仏の正面に建つとジッと見つめられているような不思議な感覚。大きいですからね、とても神秘的というか、人ならざる者にすべてを見透かされているような感覚になります。ぜひ福岡大仏を見に行ったときは、正面にたって大仏様の目をみつめてみて下さい。
さらに大仏の台座部分は地獄めぐりになっていて、ちょっとしたアトラクションになっています。中に入ると全く視界の効かない真っ暗な場所もあるので、くれぐれも無理をしないように。
また、大仏殿の部屋には四天王などの古い仏像が並び、こちらは見ごたえ十分。数百年前の人が何を思って彫ったのか、思いを馳せる事が出来ます。そう、歴史関連の名所を見学するときは思いを馳せる、目に見えるものよりも心で感じるロマンが重要ですよね。
そして諸行無常を実感するわけです。う~ん、これこそ寂びの心ですよ。
福岡博多の東長寺、明治時代に国宝の指定を受けた「千手観音菩薩像」は、平安時代に作られ槙材一本で彫られたもの。毎年6月15日の弘法大師・空海が誕生された日に行われる青葉祭などに開帳されるそうです。是非見に行きたいですね。
他にもこの界隈には他にも多くの寺や、上の写真で見えている道路を渡ると櫛田神社の一の鳥居があったり見どころ満載。寺町として博多を代表する観光スポットになっています。
博多といえばオフィス街というイメージだったのですが、歩いてみるといろいろあるもんですね。
最後に、東長寺の動画がYoutubeにあったので貼っておきます。
「東長寺」
住所:福岡市博多区御供所町2−4
拝観時間:9:00から17:00
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