西鉄天神大牟田線とは言うけれど、大牟田ってそもそもどこなのよ…気になったので、見に行ってきました。
大牟田が昭和すぎて大興奮!
福岡の天神にある西鉄福岡(天神)駅は、ソラリアシリーズで有名なあのビルの中にある福岡を代表する私鉄「西日本鉄道」の駅で、福岡市から南へずーっと続く天神大牟田線という路線の終点駅。テンマングーがあるダザイフとか、ウナギが美味しいヤナガワなんかもここから行けるという、沿線住民のの足になると同時に観光客御用達の駅なのです。
で、ふと気になったのが、天神大牟田線の天神はここにあるけども、ならば相対する大牟田はどうなってんの?いうこと。気になりません?気になりますよね、気にしてくれやっ!
という事で行ってきました大牟田へ。そりゃ行きますとも、だって気になるんやもん。
ここが終点の大牟田かぁ
西鉄福岡(天神)駅への入り口
サービス業をやっているので普段は祝日に休みを取る事なんてないんだけれども、この日はゴールデンウィークの真っただ中。筆者は通常通りの休みだったんだけど、世間は休日というか祝日。しかも「どんたく」とかいう祭りの日で、天神に出かけようものなら人混みだらけで街歩きどころか、面倒な上に疲れるだけなんて事になりそうだ。何が悲しくて休みの日まで人混みに揉まれなきゃならんのか。
しかし貴重な休日、ここでどこか取材をせねばブログのネタが…と休みの前日、仕事中にずっと考えていたところ、ふと気になったのが西鉄大牟田線…天神と大牟田かぁ、ん?大牟田ってどんなところなんだろ。
そうだ!大牟田に行こう(・ω・)ノ
西鉄福岡(天神)駅のホーム。
開けて休みの当日、迷わずやってきたのが西鉄の福岡(天神)駅。大牟田までの運賃は1020円、意外と安いのね。改札を抜けて午前10時ちょうど発の特急に乗って、目指せ大牟田!
西鉄大牟田駅のホーム
天神から電車に揺られること1時間5分、やってきました大牟田へ。おそらくブログを始めてなかったら一生来ることが無かったんじゃなかろうか、なんだか運命を感じる大牟田の地。ホームの柱には「世界遺産のまち 大牟田へようこそ」だって、大牟田って世界遺産だったんだ。知らなかった。
ホームの一番はしっこから見た西鉄大牟田駅。
改札側の端っこから見たらこんな感じ。なんか地方のターミナル駅って感じで旅情を感じる。
すぐ隣にはJRの大牟田駅、ここでJRと連絡しています。JR駅に行くには一度改札を出てJR改札から入り直す必要があるけどね。
西鉄大牟田駅のロータリー、周りは普通に戸建て住宅が立ち並ぶ住宅街。街の中心部はJR側の駅前らしい。
西鉄大牟田駅とJR側の駅前へと続く連絡通路。
西鉄の大牟田駅はそんなに大きくないんだけれど、ここで線路が止まっているという終点感が「ここが終点、遠くへ来たんだなあ…」とっても旅情を掻き立ててくれます。隣にはJRの立派な大牟田駅、西鉄側の駅前は普通の住宅街なので、どうやら駅前の中心市街地はJR駅側らしい。
連絡通路を通ってJR大牟田駅側へ。駅前のメインストリートっぽい道にはフェニックス?ねぇ、中央分離帯に立つあの木は宮崎名物のフェニックスですよね?違うのかな。
コチラがJR大牟田駅、お店なんかも入っています。
地方に来るといつも思うんだけど、公共交通機関が貧弱すぎて観光するのが大変なんですよ。だから観光に来ないんですよね、今どきの若者は自動車を買わないから。休みの日くらいしか乗らないのに、駐車場代や税金、車検、燃料費、諸々かけるなんてナンセンス。そんな金があるなら他に使うというのが社会の主流になりつつある。
そういえば天神では広告を収益源として、ベンチャー企業が無料タクシーを走らせようという試みをしているみたいですよ。
運賃無料のタクシー、福岡市のベンチャーが計画 車内に広告流す
商工会や行政が音頭とって、地場の企業やらなんやらが出資して、こういう試みをやるべきじゃないでしょうか。ヒッチハイクはさすがに無理なので、ライドシェアを普及させるとかね。
足を確保、大牟田グルメを味わう
JR大牟田駅前にある「おおむた観光案内所」
せっかく大牟田までやって来たのだから、終点の駅を見てお終いというのはなんだかアレなので、観光に出かける事にします。とにかく公共交通機関が当てにならないので、まずは足を確保するために観光案内所へ。
お土産ショップを兼ねた観光案内所。
観光案内所の中に入るとやたら高い天井の開けた空間に、大牟田の特産品がズラリ。お土産屋さんも兼ねているようです。
観光案内所で貸し出しているレンタサイクルの料金表。
ここへ来た目的はコレ、レンタサイクル。観光地の下調べもあるんだけれど、ここにある地図よりグーグルマップのほうがはるかに分かりやすいし使いやすい。実際に大牟田観光でも観光マップを開いてみたものの、そもそも自分の現在地が分らなくなるので使い物にならず。グーグルマップのお世話になりました。
大牟田の観光案内所で借りたママチャリ。
午前11時過ぎくらいだったんだけれども、観光案内所のレンタサイクルはこれが最後の一台。電動アシスト自転車もあるみたいなんだけど、既に借りられた後。台数もあまりないようなので注意が必要です。
とにかく今回は最後の一台を滑り込みで確保できたので運が良かった。ちょうど昼の時間に差し掛かるころだし、まず最初に目指すは大牟田グルメ。旅に出て現地の食べ物を探すのは当然ですよね、ここで吉野家とか行ったらただのバカです。事前に大牟田出身者に聞いたりネットで調べた結果、便所ラーメンとイカ弁当を食べてみたい!と思っております。果たして無事に目的地へたどり着けるのか。お店は両方とも繁華街のほうにあるようなので、観光案内所のスタッフに繁華街を聞いたところ…
「賑やかな繁華街はないよ、隣の新栄駅との間が繁華街になるのかな…」と寂しそうな返答。いやいや、どんな地方だろうと繁華街には楽しみ方があるはず、もっと自信持ってください!あんた観光案内の人でしょ、いきなり観光客に「行ってもつまんないよ」的なオーラを発するのはいけません。
特に初めてのトリップでやってきたわけですから、見るものすべてが新鮮なのです。
JR大牟田駅のすぐ近く、大通り沿いに建つ見事な市庁舎。
さて出発と思ったら、目の前に凄い建物。大牟田市役所の市庁舎です。昭和11年に建てられた市役所で、屋上には高射砲の台座や防空監視哨の跡が今も残っているそうです。後で見に行こうと思ったら、時間切れで見に行けず。というか、休日だから閉まってたのかな?
JR大牟田駅前から隣の新栄方面へと続く大通り。
それでは最初の目的地、便所ラーメンへ。
ゆめタウンというショッピングモール。
通り沿いに残る味のある建物。取り壊されて行ってるんでしょうね、もったいない。
売らない、貸さない、壊さない。長野にある有名な宿場町のスローガンなんだけれども、古い町並みというのは次々と新しい物に建て替えられていく運命。だからこそ残し守り続ける事で希少な存在となり、街の個性となり強みとなる。大牟田にも他の地方都市と同じ、県外から来た大型ショッピングモールと周辺の開発が行われていました。ここにあるのはゆめタウンというモールだけど、イオンもありますよ、大牟田には。
見たまんまトイレの案内看板。
さて、ゆめタウンの通り向かいにトイレの看板を発見。おっ便所ラーメンの看板か?と思うところだけど、違いますからね、これは公衆トイレの看板。
大牟田ラーメンの有名店、光華園。
便所ラーメンという名前は誰が付けたのか知らないけど、いわゆる通称というやつです。お店の名前は光華園、とうぜんメニューの名前も便所ラーメンじゃありません。便所ラーメンなんて失礼なことを店の人には言えないよね、旅の恥はかき捨てとは言うけれど、さすがにねぇ…
便所ラーメンと呼ばれている光華園のラーメン。
便所ラーメンでググってみると相当数の記事がヒットするのでビックリすると思うんだけど、そんな通称とラーメンの味とは全く関係なくて、このラーメンがすごく美味しい。昔風のコッテリ豚骨とでもいえばいいのか、最近は臭みを消した上品なコッテリ豚骨が多いんだけど、このラーメンは昔ながらのガッツリ豚臭い超絶濃厚豚骨ラーメン。
醤油を使った元タレの味も少し強め、麺は博多ラーメンと違って中太麺。これは久留米ラーメンに近いのかな。聞いたところによると大牟田ラーメンのルーツは岡山にあるらしいんだけど、やっぱどう食べてみても九州だよ。岡山は何度も行った事があって、岡山駅横のエンペラーに何度もお世話になったけど…まだあるのかなw
で、岡山は醤油ラーメンだからね、こういう白濁系のクリーミーな豚骨じゃない。豚骨で岡山の近くで有名なのは徳島ラーメンだけど、九州の豚骨とは全く違う別物です。
とにかくこの豚骨ラーメン、臭くないのが売りになりつつある世の中で、豚の臭いがしないと豚骨じゃないという方も一定数おられるわけでして、とにかく最近は少なくなったストロングスタイルの豚骨ラーメン。あの豚骨をもう一度!と思っている人は、食べに来る価値はありますよ。天神から1時間だからね、大牟田は意外と近い。
光華園の横には公衆トイレが…
とっても美味しい、博多に出てきても十分やっていけそうなラーメンだったんだけれども、そもそもなんで便所ラーメンなんて呼ばれだしたのか。どうやら店の横が公衆便所になっている事から付いた名前のようです。店の前にあったトイレの看板といい、公衆便所の上に矢印付きで取り付けられた看板といい、さもありなん…と納得してしまって御免なさい。
横が便所のラーメン、便所のラーメン、便所ラーメン。そんな感じの3段活用が地元の人の間で行われ、そのまま世間に広まってしまったんじゃなかろうか。
大牟田グルメといえばコレ、マイキッチンのいか弁当…らしい。
実は職場に大牟田出身の女性スタッフが居ましてね、前日に大牟田へ行こうと決めたので何を食べるべきか聞いていたんですよ。で、彼女が真っ先におススメしてくれたのがマイキッチンのいか弁当、これだけは食べるべきだと…あと高専ダゴというお好み焼きも美味しいらしいけど、ググッたらメッチャメチャ大きくて、こんなもの一人でどうやって食えっちゅうねん!という突っ込みとともに却下。
あ、リンゴ牛乳、すっかり忘れてる。この日一日思い出すことはありませんでした。大牟田のソウルドリンクだったらしいのですが…
高専ダゴの画像。引用元:高専ダゴ公式サイト
という事でマイキッチンのいか弁当、前の人が「タルマシ」って注文していたので、真似して「いか弁当タルマシ」と言ってみました。初めて買うからドキムネしながらだけどね、見た目は普通に常連客っぽくできたはず。
マイキッチンのいか弁当、タルマシです。
弁当を買ったのはいいけど周りに食べる場所が無くて、近所にあったアーケード商店街の中にある神社の前、ちょうどベンチがあったのでそこで弁当をオープン。神様ごめんなさい、僕はいか弁当タルマシをどうしても食べたいのです。
神様に謝罪しつつ袋から取り出したマイキッチンのいか弁当は、のり弁の上にタルタルソースとイカゲソの唐揚げがのったものでした。ネットで調べても大牟田の名物グルメとして超絶有名というか大人気の弁当で、これは楽しみです。
そうそう、タルマシというのはタルタルソース増量プラス54円ということ。なのでいか弁当460円にタルタル増量で54円、しめて514円のお弁当。かなりボリュームがあるうえに便所ラーメンとの連戦だけど、ブログ始めてから一日にランチ2回は当たり前になってるからね、普通に食べられました。
肝心のお味のほうなのですが、これがまたタルタルがすんごい美味しいのよ。マッタリして濃厚すぎないけどシッカリした味で、ご飯に合うように調整されてるのかゲソの唐揚げの塩気と相まって超絶グッド。タルマシしてよかった。マヨネーズ風味のタルタルをご飯に乗せるなんて、なんかジャンキーな感じでいいよね。海苔がとてもいい仕事していて、しつこくなく最後まで食べきりました。
昭和30年代すぎる大牟田の繁華街
この高架はなんだろ、配管?旧炭鉱鉄道の跡?
お腹を満たした所で大牟田の繁華街を探索しに行きましょう、地方都市で一番面白いのはなんと言っても繁華街。こういうところにはレトロで素敵な場所が広がっていたりするです、超絶楽しみ。
すんごい歴史のありそうな派出所跡、今は使われていないみたい。
新銀座というアーケード街。
きたよ、キタキタキターー!
どうですかこの昭和感、三丁目の夕日ですよ、昭和レトロですよ、たまりません。けどね、かなり傷みが目立つ、いずれ無くなるんだろうなぁ…もったいない。
この美容室はまだ現役でやってそうな雰囲気。
ケッコウ長いアーケード商店街、屋根を支えているのは鉄骨じゃなくて木材なので相当古いよマジで。でもって中には現役で営業中の店もあって、この美容室なんか渋すぎですよね。
看板見てくださいよ、完全冷暖房というのが売りになった時代の看板。完成当時はオシャレでハイカラなお店だったんでしょう。
連棟で続くレトロな住居、これなんてもう重文にしてもいいんじゃないかと思うよ。
アーケード商店街の裏手に回ってみると、これまた鼻血が出そうなほどの大スペクタクルしたくなるような、アメージングな光景が広がっています。こういう路地裏にの深いところへ、思いっきりダイブしたなる。もうね、すげぇ、ほんとさ、大牟田お前スゲエよ、マジで。
これだけの規模で昭和20年代から30年代っぽい古い街並みが残っている場所って、今どき珍しいんじゃないでしょうかね。戦後の建物ではあるんでしょうけど、それでも半世紀以上前の建物、ビフォー・ザ・ハーフセンチュリーですよ。これぞ戦後経済成長の遺産、経済大国日本を築いた文化遺産。もっと価値を見出してもいいんじゃないでしょうか。
銀座通り商店街にある銀座通り商店
すぐ近くには、よく見るシャッターがずらりと並ぶアーケード商店街。なんだシャッター屋さんがデモやってんの?思わずつぶやいていしまいそう。祝日だから閉まっていたのかもしれないけど、だから人が集まらないんじゃないかと突っ込みたくなる。そんな中で数少ない営業中のお店が銀座通り商店街の「銀座通り商店」という駄菓子バー。店を出すならココじゃなくて新銀座だろう!と思わず心の中で叫んじゃったけど、昭和レトロをテーマにした外観はとっても大牟田にマッチしてるんだけどね。
ただ、どう見てもこの新しめのアーケード商店街よりも、先に見た新銀座の方がイメージにあってるよね。ここだと取って付けたみたいになってる。
駄菓子バーにあったアイスキャンデー。
とりあえずブルーハワイパインというアイスキャンデーを美味しくいただきながら、店内を物色。
店内にあったレコードジャケット。ピンクレディーは分かるけど、早川めぐみさんってのは初見です。てかメタルバージョンというのが非常に気になる、ベビーメタル的なスタイルの元祖か何かか…ちなみに筆者は小学生の頃にマイケルシェンカーと出会って以来、ひたすらハードロック・メタルを愛する人種だったりします。
銀座通り商店のレポート記事
昭和をテーマにした駄菓子バー、昼間はカフェだけど。昭和らしい緩い感じに癒される、とても居心地がいい空間です。あの時代はもっと大らかだったんですよね、いい加減さもある程度許されていたし…
リンク↓
【大牟田】銀座通り商店街の「銀座通り商店」昭和レトロな駄菓子バー
スーファミが置いてあったり、ネットフリックスの映画を見れたり、昭和の看板なんかがアチコチにあって雰囲気はイイんだけどね、リアリティがない、やっぱ新銀座でやって欲しかった。観光客の勝手な意見だけども、それくらい新銀座が貴重だと思うのです。あれは本気で復元したら世界遺産の炭鉱なんかよりずっと有望な観光の目玉になるよ、天神から1時間チョットの距離だし。
大分の豊後高田なんかよりずっと地理的に恵まれてるんだから。映画のセットなんかでも使いやすそうだしね。
自転車で走っていて見つけた銭湯らしき建物。随分立派な建物だし、とにかく渋い。今は営業していない模様、この雰囲気を残したまま何か活用したいところだよね。
この建物も古い、こんな場所がアチコチにあります。
スナックやバーといった飲み屋はけっこう充実してますね、無料案内所もあるし。
街なかを自転車で走っていると、思わず止まって見てしまうような古くて立派な建物が各所に残っています。あとは歓楽街が意外なほど広い範囲に広がっていて、飲み屋が入ったビルが沢山あります。昼間は閑散としているけども、夜はケッコウ賑わってるのかもしれません。
ただやっぱりもったいない、ほんと見事な昭和の街並みが残ってるですよ。なんとか活かす方法がないものかと思うんだけど、とりあえず駅からここへ人が来る必要性がないんだろうね。更地になった場所が沢山あったから、バスセンターを作るとか、何か工夫できないのでしょうかね。大牟田駅からここまで歩かせるなりシャトルバスを運行するなりして、人が繁華街を経由するような流れを作れないんだろうか。
バスセンターというターゲットをここに作って、鉄道駅とバスセンター間の人の流れを創り出す。特に観光客には効果的だと思うんだけど。
福岡の博多や天神だって、大観光地の京都だって、目的地間でケッコウ歩かされる。歩く必要があれば歩くのよ、観光客って。キャナルシティ博多から博多駅とか、マリンメッセ博多から博多駅とか、かなり距離があるけど沢山の人が歩いてるんだから。
おもてなしで客を甘やかせると、逆につまらなくなって離れていく。加減が難しいけどね。
大牟田と言えば炭鉱!行ってみましょうか。
大牟田市の石炭産業科学館。
せっかく大牟田に来たのだから、世界遺産の炭鉱関連の観光施設も回ってみる事にします。とりあえず自転車だからけっこうキツい、広範囲に散ってるから時間的にも全部見るのは無理だね。
世界遺産になってる宮原炭鉱という所に行くか、それとも港方面へ行くか。時間的にどっちかしか行けそうにないので、ここは港を目指して行ってみる。最初の目的地は石炭産業科学館、ぶっちゃけどうやって行けばいいのか全く分からず、グーグルマップにナビしてもらわなかったら辿り着けませんでしたよ。観光案内所の地図…全く役に立たず。繰り返し言うけど、自分の現在位置が分からないからね、あれじゃどうにもならん。
石炭産業科学館の内部。
入場料大人410円でチケットを購入して展示室へ。ここでは大牟田にあった三池炭鉱の歴史や採掘の様子を体系的に学ぶことが出来ます。強制労働云々…という展示もデカデカとしてあったけど、そういう事実関係がハッキリしない政治的な展示はすべきじゃないよね科学館なんだから。どこかから圧力がかかってるのかもしれないけど、ハッキリ言って不愉快。
炭鉱操業当時、作業員の様子を移した写真。
それでも炭鉱の歴史資料が絵や写真や動画を使って説明されていて、とても分かりやすい。作業員の装具の実物が写真と共に展示されていたり、坑道の様子を模型を使って説明してあったりと、炭鉱跡を見に行く前に立ち寄っておくと予備知識を学べるのでありがたいことこの上ない。
坑道をイメージしたトンネルの中で実際に重機が動いている展示が大迫力、なかなか見ごたえのある科学館。大牟田の世界遺産関連の施設を見学するなら、絶対に立ち寄っておくべき場所です。間違いない。
三川坑跡の正門
続いて実際に石炭を採掘していた炭鉱跡へ、ここ三川坑の跡は炭鉱のリアルな姿がそのまま残っていると評判の場所。世界遺産に入っていないみたいだけど、それがイイんだという意見がネット上で沢山挙がっています。
操業時の姿を留めている時期の写真と説明。
これが現在の姿
炭鉱跡というのを見たのは初めてじゃないんだけど、これだけの規模で操業をやめた時の姿をほぼそのまま留めて残っている場所は初めてです。これは大興奮、凄いですよココ。
三川抗第二斜坑の跡。
小さな電車に乗って作業員が入っていった坑道の入り口。レールや車両がそのまま残されていて、共に展示されている当時の写真と見比べると操業時の様子がリアルに実感として伝わってくる。これはイイ、凄く良く分かる。
巨大な木造の建物
ここは何の部屋だったのだろう?
とにかく生々しい廃坑時のまま残された炭鉱が目の前にあります。建物や機材、巨大なモーターなどなど、ここで多くの人たちが働いていた事実を今に伝えてくれます。必要以上に整備されていないというか、ほとんど操業停止になった時からそのままの姿を残している三川抗。他にも炭鉱で活躍した電車が展示されていて、明治時代のアメリカGE製の車両や大正時代の車両は必見。明治時代に汽車ではなく電車があったのか!と、思わずビックリ。
当時の炭鉱は時代の最先端を行っていたのですね。
とにかくこの三川抗、圧倒的なリアリティと生々しさ、これは大当たりです。ここへ来てよかった、ほんと見ごたえ十分なので絶対に見て欲しい場所。ただ傷みがあまりにも激しい、せめて補修くらいはしてもらいたいところ。もったいないでしょ、これだけの規模で残ってるのだから…と思うけど、予算があればやってるんだろうね。
衰退する地方の悲哀も併せて見せてくれる、何とも複雑な気持ちになる場所でした。
ここは土日祝祭日のみの公開みたいです。とりあえず今は無期限だけど、いずれ見られなくなるかも。
三川抗を更に詳しく↓
大工事の末に完成した三池港
展望台から見た三池港
三川抗のスグ近く、ココには世界遺産の三池港があります。時間的にだいぶキツくなっていたし、三川抗が圧倒的過ぎて十分に大牟田の炭鉱を楽しんだから帰ろうと思ったんだけど、自転車だしね。
すると三川抗のオッチャンが「三池港の閘門が閉まる時間だから、ついでに見ていけばいい」と言い出したんです、なんでも港まで自転車で10分もかからないし、なかなか見られないらしい。だから帰りを急がないなら見た方がイイって。
とにかく三川抗にいたスタッフの人たちが超絶イイ人で、正直また自転車で動くのが面倒だったんだけど、オッチャンがそこまで言うなら見に行ってみようかと思ってやってきたわけです。
三池港の展望台にあった港の航空写真。
もともと大牟田の沿岸部というのは水深が浅く、大型船が入ってこれなかったそうです。なので採掘された石炭は小型船に積み込み、大型船が接岸できる港まで運び、そこで積み替えを行っていたそうです。
そのため非常に効率が悪く、しかも輸送コストが高くつくために何とかならないか…と考えた結果、海を掘り下げ干潮時に港内の海水が外へ流れ出さないように閘門で蓋をしてしまうという大工事を敢行。その後手狭になった最初の港から更に大きく広げ、現在のように翼を広げた鳥のような形の港になったのだとか。
三池港の閘門が閉まった状態
三池港の閘門、閉じている状態を海の側から。
閘門の開閉は潮の満ち引きの力を使ってやっているので、ほとんど動力を使っていないそうです。動力もあるにはあるけども、殆ど使わないので明治時代の機械がそのまま残っているそうです。
展望台からだと遠すぎてよくわからなかったので、自転車を飛ばして近くまで見に行ってみました。閘門に立ち入ることはできませんが、少し離れた場所から見学。レトロな建物が建っていて歴史を感じる港です。
旧税関庁舎
三池港には税関の出張所だった建物も現存しているので、合わせて見に行くといいんじゃないでしょうか。
最近まで明治時代に建てられた巨大な石炭を積み込む機械も残っていたそうなのですが、ガイドのオッチャン曰く「子供が勝手に侵入して怪我をしたため」取り壊したそうです。100年以上前に造られた巨大な装置、残っていれば世界遺産を構成する貴重な遺物になっていたはず。歴史遺産を子供が怪我したくらいで壊してしまうとは…なんともやりきれないといった表情で話していたのが印象に残りました。
古写真満載!三池港を更に詳しく↓
お土産に草木饅頭を買って帰ろう
JR大牟田駅前にある草木饅頭のお店
何気なく思い付きでやってきた大牟田、予想を遥かに超えた見ごたえのある場所でした。西鉄の終点を見に来ただけなのに、まさかこんな場所だったとは…まだまだ見たいところはあるんだけれども、日も傾いてきたしそろそろ帰らなければなりません。理由は「家事をサボると家内に怒られる」です。こんなブログなんてただの遊びとしか思ってませんからね…まあ趣味でやってるので、あながち間違ってはいないのですが。
そういえば大牟田市って福岡の一番はしっこだったんですね、一つの街のように見えるんですけど隣接する熊本県荒尾市の市街地と一体になってるんです。大牟田に来ればついでに荒尾の観光も出来てしまう、一粒で二度おいしい的な場所なんですよ。朝から大牟田に入って一日まわっても時間が足りなかったので、泊りで来る覚悟がいりますが。
とにかくレトロで魅力満点の街、もっと深く入り込んでタウン情報サイトでも作ってみたいところではありますが…このハカテンみたいなサイトならいつでも作れますからね、時間さえあれば。
いずれにしても時間ですよ、時間がない。怒ると怖いんですよウチの嫁、洗濯ものを取り込んで掃除をせねば。見えない鞭で尻を叩かれるように、西鉄の特急に飛び乗って天神まで。心残りはありまくりだけど、機会があればまた訪れたい、そんな面白い街でした。
どうですか西鉄の終点、一度見に来てみませんか?
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