百年以上の歴史を持つ博多の老舗菓子舗、100年の歴史をもつマシュマロ菓子が有名。ホワイトデーの仕掛け人
「石村萬盛堂本店」貴重な博多の歴史観光スポット
明治三十八年(1905年)創業という博多の老舗、博多で老舗の和菓子と言えば石村萬盛堂。もはや地元で知らない人はいないといっても過言じゃないくらい有名なお店。福岡と博多を結ぶ大通り「昭和通り」に面して建つレトロな店構え、とっても気になっていたんです。いつか行こうと思っていた場所、中洲川端まで来たので立ち寄ってみる事にしました。
貴重な歴史遺構を壊して建てられた巨大な商業施設
石村萬盛堂本店へは地下鉄中洲川端駅で下車、博多リバレインの出口から出て北東へ。道路の右側にあるのは博多座です。
博多と天神など福岡市を東西に走る大通りである昭和通り
リバレインと博多座の間の道を、北へ歩いていくとホテルオークラに辿り着きます。ここは福岡と博多を結ぶ大通り昭和通り、石村萬盛堂本店はこの交差点を渡ってスグの場所。
中洲川端駅から歩いてきて、昭和通り越しに見る石村萬盛堂
交差点から左斜め方向「おっ、アレなに?」という感じで、思わず目が行く純和風でいかにも老舗というレトロなお店。ここが石村萬盛堂本店。明治時代のお店ですからね、自動車で走っていても思わず目が行く存在感。素敵なお店です。
街なかに残る古き良き日本の風景
一角だけが大正時代か昭和初期にタイムスリップしたような店構え。
道路を渡ってすぐ左、少し歩くと昭和通り沿いに建つ石村萬盛堂本店があります。遠くからでもすぐにわかる、レトロで圧倒的な存在感を放つ店構え。古き良き日本の街並みを彷彿とさせてくれる見事な建物です。
周りはすっかり新しくなっているだけにこのお店だけが時間が止まったようで、大正とか昭和初期にタイムスリップしたような感覚。昔の街並みを想像させてくれる周辺地域のシンボルみたいになってます。
須崎問屋街と書いてあったので、どんな場所かと思い見てみると…パッと見はまあ、普通の街並みですね。先へ進んでいくと個性的なお店なんかが残ってるのかもしれないので、いずれ歩いてレポートします。
コチラが大通り、昭和通り側の様子。純和風の重厚な店構え、風格があります。
屋根の上の照明はメッチャメチャ古い、とにかくレトロ。大正か昭和初期っぽいデザインですけどいつの時代のものなんでしょ、何気なく設置してあるところがニクイですよね。
さて、お店の中に入ってきました。本物の老舗が持つ静かで重厚な雰囲気、とっても落ち着いた店内。
まず最初に目に入ったのは、石村萬盛堂の代名詞ともいえるコマーシャルでおなじみの鶴乃子饅頭。マシュマロの中に餡が入ったお菓子です。100年近く続く伝統のお菓子なんですよね。鶏卵素麺を作る際に出る卵白を利用し、昭和初期頃に舶来のマシュマロ技術を使って完成したのが鶴乃子です。
そして忘れてはならないのが、鶴乃子の生みの親ともいえるお菓子「鶏卵素麺」です。このお菓子はとっても歴史のあるお菓子、古くは16世紀、日本が戦国時代から安土桃山時代の頃に伝来したそうです。
簡単に鶏卵素麺の説明をすると、豊臣秀吉が天下を治めた時代、安土桃山時代に長崎平戸に伝来。日本で本格的に製造され始めたのは江戸時代。博多では17世紀、松屋菓子舗が1673年に販売をスタート。しかし松屋菓子舗は販売不振から2012年に自己破産、工場は鹿児島の和菓子メーカー・薩摩蒸気屋が買収して製造を開始しています。
という歴史のあるお菓子なんですね。
他にもどら焼きや、様々なお菓子が販売されています。きょろきょろしていると、ひときわ目立つ商品を発見。
鮮やかなお菓子だなぁとおもったら、博多おはじき。ディスプレイじゃなくて、ちゃんと販売してます。お土産によさそうですね。素朴で鮮やか、なごみます。
店の奥までやって来たので入ってきた方を振り返ってみると、とっても開放的な店内。モダンなデザイン、カッコいいお店ですね。老舗の重厚感は感じるんだけども、ありがちな敷居の高さはありません。老舗独特の雰囲気はあるんだけども、気取ってないんですよね。おかげで僕みたいな貧乏人でも普通に入りやすいお店です。
店内に飾られた歴史資料
さて、お菓子売り場を見てきたんですが、なんと店内に石村萬盛堂の歴史を綴ったパネル展が開催されていました。
この展示は石村萬盛堂創業110周年記念のイベント。お菓子を作る道具などが展示されています。
昔の鶴乃子パッケージや、木型も展示されていました。
さらに嬉しいのは、博多の古い写真が展示されている事なんです。こういう写真を見てから街を歩くと、楽しさが100倍くらいになるんですよ。
この写真は中洲だそうです。いいなぁ、この時代に行ってみたい。
石村萬盛堂の古い写真、とっても貴重なものですよね。こういう写真が飾ってあるだけでも、老舗の歴史を感じます。
昭和21年に撮られた写真、博多空襲であたり一面焼け野原。こういう写真は貴重ですよ、空襲の後でも子供というのは本当にたくましい。
僕たちの世代は、親や祖父の世代が残した莫大な国債を抱えた、国の衰退期を過ごすことになります。この強さを見習わなければならないですね。祖父や親の世代くらいまではギリギリ逃げ切れるのかな?僕の世代はもろにツケを払わされる世代、へこたれてる場合じゃありません。
気になったので、国土地理院の航空写真に博多空襲後の写真が無いか探してみると、敗戦3年後、1948年のものがありました。少しずつ復興が始まってるのでしょうが、空き地がずいぶん目立ちます。須崎町界隈は完全に焼け野原になってますね。
他にも沢山写真や古い絵図などが展示されていました。僕みたいに他所からやって来たよそ者には、とっても興味深いし見て楽しい展示でした。もう常設ギャラリーにして欲しいくらいです。
今回お邪魔した石村萬盛堂本店ですが、創業当時は対馬小路にありました。博多の有名人「川上音二郎」邸の一部を借りて開業したとか。現在の場所に移転したのは1924年、建物は空襲でも焼けずに当時の建物が残っています。
ということで石村萬盛堂本店、さすが老舗、しかも本店、そこらの店とは圧倒的に違いますね。やはり老舗は本店へ行くに限ります。
以上、博多の老舗和菓子店、石村萬盛堂本店に行ってきたよ!レポートでした。
「石村萬盛堂本店」
住所:福岡市博多区須崎町2−1
営業時間:9:00から19:30
石村萬盛堂公式サイト⇒http://www.ishimura.co.jp/
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