博多で初めて登場した、戦前のラーメン屋台の味を引き継ぐ老舗ラーメン店。本物の元祖、源流博多ラーメン。
博多で初めてラーメンを提供した屋台を起源に持つ本物の元祖博多ラーメンが食べられるお店
博多初のラーメン(当時は支那ソバ)店「三馬路」の味を引き継ぐ店として、博多で知らない者はいない老舗博多ラーメン店「うま馬」。博多ラーメンは1940年頃に開業した「三馬路」が発祥と言われ、当初は白濁スープではありませんでした。現在の白く濁った豚骨ラーメンは戦後生まれたラーメン。もともと博多のラーメンは白くないスープに平打ちの平べったい麺でした。もちろん、麺が違うので替え玉なんてありません。
Wikipediaの博多ラーメンを見てみると「基本的には豚骨主体の乳白色のスープと極細麺が特徴。」と書いてあるんだけれども、これは福岡市中央区長浜が発祥の「長浜ラーメン」のもの。どうやら福岡の豚骨ラーメンが博多ラーメンとして全国に広がるうちに、長浜ラーメンと博多ラーメンがごちゃ混ぜになった模様。バリカタとかカタというのも博多ではなく長浜ラーメン。
今はもう長浜ラーメン=博多ラーメンみたいな認識になっているんだけども…まあ、私ははよそ者なので、美味しければどっちでもいいというスタンス。
「うま馬」は博多ラーメンの元祖、歴史を重ねた源流の味を今に伝える老舗
うま馬があるのは地下鉄空港線「祇園駅」のすぐ近く。この界隈は旧博多駅があった場所、御供所町など寺町がある旧市街エリア。うま馬が出来た当時、ここは駅前の繁華街だったんですね。
お店へは祇園駅の3番出口からでるのが便利。
目の前の東西に走る大通り、国道202号線を西へ少し。
歩いて行くと…ありました!
高い建物の間にポツンと建つ2階建てのお店、ここが「うま馬」です。
お店の前に立てられた看板に、源流博多ラーメンとして説明が書かれています。1940年に生まれた博多初のラーメンを、博多で唯一受け継ぐお店。70年以上前のラーメンはどんな味なのか、期待が高まります。うま馬は昭和28年、1953年創業なんですね。
「昭和15年から平べったい麺やってます」と書かれています。博多初のラーメン店「三馬路」から変わらず伝統の平打ち麺を使ってます。
次々と美味しいラーメン店が出店しているけども、やはり伝統の味というのはどこにも真似できない、超えられない歴史の重みがあります。
さて、70年以上の歴史を持つラーメンの味とは、いったいどんな味なんでしょう。期待に胸を膨らませながら店内へ。
1階はL字のカウンターにオープンキッチン。2階にも客席があります。
お持ち帰り用のお土産ラーメンが売られていました。ちょっと通なお土産として、博多ラーメンのウンチクと一緒にプレゼントすると喜ばれそう。
私が訪れた時はランチタイムなのにカウンターには灰皿。タバコが吸えるお店って貴重種になってるからね、愛煙家にはありがたいかも。ただ嫌煙の声が大きなご時世、そのうち無くなるかもしれません。
さて、こちらがメニューです。新と書いててあるので、新しいラーメン。
牛筋カレーも美味しそうだけど
私が食べに来たのは源流博多ラーメン。源流博多ラーメンをメインにしたお昼のセットメニューがありました。これはお得じゃないですか?名物の鶏皮と餃子付き。迷わず「博多名物セット」を注文。
そしてこちらは調味料のセット。胡麻、塩、餃子のタレ、ラー油と胡椒。写真には写ってないけど、辛子高菜もちゃーんとあります。無料の高菜、これはポイント高いね。
博多ラーメンの源流を味わう
しばらく待つと、最初に出てきたのは博多の焼鳥らしく、タレの付いたキャベツと一緒に提供された鶏皮。一口食べてみると・・・
ジュワッと甘辛タレが激ウメぇッ!
甘辛い醤油タレが激うま!これは日本人ゴロシ。んでもって良く焼かれたとり皮に、濃厚な甘辛タレが食べた瞬間にジュッと出て来るくらい、噛み締めたら更にジュワワット出て来るくらいにしみ込んでる。これは強烈。私の田舎の方言を使うと「メッチャようしゅんでる」と言うんだけども、噛めば噛むほどジュワッとして美味しい。
よ~味がしゅんだ鶏皮を食べていると、やってきました!真打ち登場
源流博多ラーメンだ!どーーん
これが源流、70年の歴史が詰まったラーメン。
スープは・・・豚骨ベースで白い色。だけど白濁まではいかない感じ、なんだけども透明というわけでもない。香りはシッカリ豚骨。
丼ぶりに入ってる時よりも、じっさいにレンゲですくってみると透明度がアップ。
では、さっそくズズッと!
ウン、今風の豚骨とは明らかに違うスッキリした感じ。だけど看板には書いてあったアッサリというより、実際食べてみるとかなりシッカリした味。それでいてキレがいい。豚骨の臭みは少しあり。表面にけっこう脂が浮いているけど、キレが良いのでゴテッとした感じは全くなし。もとタレの味がかなり効いていて実にウマい。
そしてこちらが昭和15年からやってるという「平べったい麺」です。
博多ラーメンと言えば極細ストレートを思い浮かべますが、あれは長浜という福岡のラーメン。博多ラーメンは、元々このツルンとした平べったい麺だったんです。
こうやってみるともっと分かり易いかな。これが元祖博多ラーメンの麺。
ちゅるッとした食感の麺、そこそこ太くて平べったいので食べごたえがあります。口の中一杯に頬張った時の満足感。この麺と食感、私は好きだなぁ。
ラーメンの上にのってるチャーシューはとってもシンプルな味付け。余計な事をしていないので普通に美味しい。
写真を撮りながらズズッ麺をすすり、モグモグしてると餃子がやってきました。
うわっ、ちっちゃ!
う~む、なんで博多の餃子って小さいの?
女性でも大きく口を開けずに食べられる大きさとか、一口で食べやすい餃子とか、さんざんイチビッたこと言ってるけど、関西人の目から見るとケチってるだけに思えちゃうんですよね。
こんなん5個入りとか言われても、普通の餃子2個分くらいしかないんとちがう?
博多名物一口餃子って「原価ケチったろう」という飲食業者と、雑誌やらテレビのマスコミが結託して客を欺いてるようにしか見えないね。
それでもまあ、今回はセットの餃子やからね。特に文句はありません。気を取りなおして餃子のタレにラー油を少々。
私は一口餃子って看板に書いてある餃子屋さんには行かなんですよ、あんな貧相な餃子食べても「食った気がせん」というやつ。
見た目はメッチャ美味しそう、もう一回り大きかったら…
ガブッとかじってみると、この餃子、小さいけど味がギュッと詰まっててかなりイケます。
どうせやったら思いっきり頬張って食べたいですねぇ、とりあえず今回は3個いっぺんに食べましたけど。一口餃子が名物だからこそ、ここはひとつジャンボ餃子で勝負してほしいなぁ。美味しいだけにもっとガッツリ食べたい。個性をだすなら、やっぱ根性だして逆張りですよ。
餃子を堪能して再びラーメン、そしてスープ。
このスープがね、なんていうんやろ、じわ~っとくるんですよ、飲めば飲むほどじわ~っと。
味に慣れてきたので途中にアクセントの高菜を入れて、結局底が見えるまで飲んじゃいました。なるほどね、本物の博多ラーメン、元祖源流の味。なかなか美味しかったですよ。
博多ラーメンのルーツ、源流の味
激うまのとり皮、源流博多ラーメン、ケチ臭いけど美味しい餃子。しっかり堪能させていただきました。やっぱラーメンは個性的でしたね、これが昭和15年から受け継がれる伝統の味。確かに今風のコッテリ泡立つような豚骨じゃないけれど、コクがあるのに後味スッキリなじわウマスープ。そして、食べごたえのある平べったい麺。
博多ラーメン好きなら、博多ラーメンの源流を一度は味わってみるのも良いんじゃないでしょうか。
話しのネタにもなりそうですし、源流博多ラーメンおススメですよ。
「うま馬祇園店」
住所:福岡市博多区祇園町1−26
営業時間:平日11:30から14:00 17:30から24:00(L.O.23:30)、土日祝11:30から15:00 17:30~23:30(L.O.23:00)
定休日:無し
当記事は訪問時のものです、最新の情報など詳しくは公式サイトなどで確認することをおすすめします。
うま馬公式サイト⇒http://www.hakataumauma.com/
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