おじさんホイホイという言葉をどこかで見かけたんだけど、優し気だったり色っぽいオネエチャンがいるか、少し寂れた哀愁漂うレトロな場所か、だいたいそんなところなんだと思う。ただオネエチャン系のところは貧乏人には縁がなくて、筆者がホイホイ寄せられていくのは後者、少し寂れているというか懐かしさを感じるような場所に決まってるのが悲しいところ。
今回お邪魔したのは、昭和の香る定食屋。夜は赤ちょうちんの居酒屋になるという、絵にかいたようなおじさんホイホイ。博多区綱場町の「竜馬」というお店。
「竜馬」オッサン達の食事処
綱場町の天神さんの前に建つレトロなビル。
竜馬があるのはちょうど綱場天満宮の真ん前、大生館というレトロなビルの1階。このビル、外観を綺麗にしているのでレトロに見えないかもしれないけど、細かいところを見ていると見事な昭和レトロです。
さらにこの道はかつて博多を流れていた大水道の跡、歴史を感じる場所なのです。
博多大水道の記事は「「博多大水道」鎌倉時代に掘られた博多中心部を防衛する巨大な堀」で詳しく書いてます。
昼は弁当の準備に大忙し
竜馬の外観
お店の前には年季の入った赤ちょうちん「竜馬」と書かれています。見るからに哀愁漂うというか、懐かしさを感じる昭和の一杯飲み屋。見事なおじさんホイホイです。
竜馬の店内
お邪魔したのは平日の午前11時20分くらい、ちょうど昼ピーク前の時間。まだ誰も来ていないようで、最初の客としてお店の中へ。
店内はそれほど広くなく、オープンキッチンの周りにL字型のカウンター席があり壁にそってテーブル席。お店はお弁当の準備に大忙し、テーブルにはランチの御膳が用意されていました。
オフィス街にあるだけに、12時を過ぎると満席になるんでしょうね。ここがオッサンで埋め尽くされるとか…あまり想像したくない絵になりそうだ。
壁に貼られた居酒屋メニュー。
ランチメニューはコチラ。
訪れたときはまだランチの仕込み中だったようで、出直したほうがいいのかな…と思っていたら、塩サバか唐揚げならすぐできるとのこと。
「じゃあ塩サバで」
注文をして着席。やっぱり少し早かったかな、チョッピリ申し訳ない気分。
庶民的だけどシッカリ美味しい
テーブルに用意された御膳、小鉢が三つ。
塩サバ、味噌汁、ごはんがやってきました。
席に座ると既に御膳の盆が用意されていて、小鉢が三つ。しばらく待つと塩サバ、ごはん、味噌汁がやってきました。とても元気のいいスタッフ、ご飯はおかわり出来ますとのこと。
肉厚のサバ。
博多のサバは旨い。気のせいかもしれないけど、生のサバが当たり前に食べられる場所だけに美味しく感じます。
肉厚のサバを一口たべてみると、おじさん相手だけに塩分にも気を使っているのか、優しい塩味が絶妙。醤油をかけずに食べたけど、サバの味がいいのでそのままでも十分ウマい。
やっぱご飯のお供は塩サバ、マジで美味しい。博多はご飯のお供が充実しすぎているので、あえて最高とは言いませんが。
小松菜の味噌汁。
小鉢は酢の効いた春雨と切り干し大根、これも優しい味で塩分控えめ。福岡に居ると味の濃い食べ物が多いから、こういう優しい味で食べるのは逆に新鮮。そして何といっても味噌汁。味噌の味は薄めだけどダシが効いてます。そして小松菜がシャキシャキ!これは美味しい。
早くに入れてしまうとクタッとなるんだけど、恐らく出す直前に入れてさっと煮たててるんだろうね、そうしないとこの瑞々しさとシャキシャキ感は残らない。チョットしたひと手間だけど、こういう事をしてくれるお店はいい店だ、間違いない。
竜馬は飾らない庶民の味
食事を終えて店を出る際に、店内の写真を撮りたいとお願いしたら「こんなお店で良ければいくらでも」と言ってくれた笑顔がステキなオバチャン。こんなお店というけれど、こういう昔ながらの庶民的なお店はどんどん減ってきていて、むしろ貴重なのですよ。
とにかく接客のおばちゃんが凄く気さくで元気が良くて、気持ちのいいお店でした。今風の綺麗なお店で若いアルバイトがマニュアル通りの接客をするお店より、こういう少し緩くて人情を感じるお店のほうが良いと感じるのは歳のせいなんでしょうかね。
竜馬の店頭に並べられたお弁当。
入るときは無かったけれど、食事を終えて出てくると、店頭には弁当が並べられていました。そういえば店内も弁当だらけになってましたね。正午の昼休み、直前に出来上がるお弁当。まだ温かいんじゃないでしょうか。
綱場町はオフィス街ですから、これから昼のピークが始まるのでしょう。見事なおじさんホイホイ、吸い寄せられてしまいましたよ。
「竜馬」
住所:福岡市博多区綱場町3-11 大生館1階
営業時間:昼は14時頃までとの情報アリ、夜は夕方から居酒屋です。(未確認)
※この記事は私が訪れた時のものです、現状と異なる場合があります。最新情報、詳細はご自身で確認することをおすすめします。
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