電車の運転席の窓から見える景色は、なぜあんなにカッコいいのだろう。子供の頃、阪急電車の先頭車両に飛び乗り、運転席側に取り付けられた窓から一心に外を見ていたあの頃、目の前に続く真っ直ぐな線路と流れて行く街並み。もう何十年も前の事だけど今でもはっきりと思い出す。
福岡市の各所を結ぶ市営地下鉄、中でも七隈線の車両は運転席に座ることが出来る。ただし進行方向の反対側、後ろ向きだけどね。
福岡市営地下鉄七隈線
福岡市営地下鉄七隈線の3000系車両、次郎丸駅にて。
福岡市営地下鉄七隈線は福岡市の中心部である天神と、市内西部の橋本との間を結ぶ地下鉄線。正式な路線名は福岡市営地下鉄3号線。将来的には橋本から博多まで直通する計画で、現在も天神―博多間の工事が行われています。
この地下鉄はリニア鉄輪式という方式を採用していて、リニアモーターカーの一種、実は最先端の車両だったりします。リニアモーターを使用して浮上走行するのが一般にリニアモーターカーと言われている車両で、この車両はリニアモーターを使用していても浮上ではなく車輪を接地させて車体を安定させています。推進はリニア駆動、車輪の摩擦を利用した従来の電車とは異なります。
運転も全自動、自動列車運転装置によって無人運転が可能。緊急時に対応できるように操縦装置は運転席に備え付けられていて、運行時は運転士が乗車しています。
ということは、あの運転手さんは乗ってるだけ……だったんですね。
地下鉄七隈線の車内。
最新の地下鉄だけに車内はとても明るくて綺麗。しかも走行音がほとんどしない、とても静かでスムーズに走る車両です。大阪の御堂筋線になれた関西人としては、この静けさとカーブに差し掛かっても遠心力がかからず、曲がってる事を感じさせないスムーズさは信じられないっ!と驚愕するレベル。
従来の地下鉄と比べると、ディーゼルトラックとハイブリッドカーくらいの差があります。
七隈線車両の最後部。
とても綺麗で静か、乗り心地最高の地下鉄七隈線。普通ならこれで十分なのですが、この車両にはなんと、七隈線ならではの特等席があるのです。
それが最後尾車両の最後部、普通なら運転席で後部には車掌さんがのっているところ。なんとこの席が一般に開放されているのです。
普通ならここに扉があるんだけど、七隈線はミニ地下鉄なので扉はありません。先頭車両には運転手が乗り、バーが下ろされて中に入れないようになっていますが、この最後部は仕切りが無く座席として利用することが出来ます。
飲食はご遠慮ください…地下鉄車内では常識だよね。
操縦関係の装置はカバーがされていて見る事は出来ませんが、シートは二人くらい座れそうなペアシートっぽい感じ。これはアレですか、カップルシートですか。
この部分は扉になっています。
なんかカッコいい。
頭上には液晶モニターが二つ。
そして何と言ってもこの車窓からの眺め。
地下鉄の車窓からみえる景色って、真っ暗でクソつまらないと思ってますよね。けど運転席から見える景色はSFチックでとてもカッコいいんです。
巨大なトンネルを疾走する地下鉄。
まるで映画の世界に入り込んだような光景、照明の光が高速で流れていく。そして突然現れる光のオアシス、駅ですね。
地下鉄のトンネルの中って真っ暗だと思っていたら、非常に多くの照明で照らされていて意外と明るいんですよ。そしてその規則的に並ぶ照明の中を走り抜けていく、その光景がとても素敵なんです。
ここは運転席なので他の座席とも隔離されていて、半個室のような特等席。地下鉄七隈線に乗ることがあったら、最後部の席が空いてないか見てみるといいかもしれません。子供たちに大人気なので、なかなか開いてないけどね。
カップルがのったら……○発しろっ!と呪いの呪文が飛びそうなので、控えたほうがいいかもしれない。
※この記事は私が乗車した時のものです、現状と異なる場合があります。
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