博多の櫛田神社のおひざ元、川端商店街に焼カレーを生み出した欧風カレーのレストランがありました。
「伽哩本舗本店」焼カレー発祥の店
昭和30年ごろに作られていた焼カレーはとろけるチーズではなくプロセスチーズを使っていた…今や全国的にも有名になり、北九州市の門司のご当地グルメとしても大人気の焼カレー。焼カレーの元祖といわれる伽哩(カリー)本舗の本店は博多の川端商店街にあります。焼カレー店としては日本で最初のお店で後に門司にも同名の焼カレー店を出店したところ、現在の門司港焼カレーとして人気のご当地グルメになりました。焼カレーの製法特許も取得しているという同店、焼カレーのバリエーションも豊富でランチタイムには満席になる人気店。ここでは今も昭和30年代の焼カレーが提供されていて、初代焼カレーとはどんなものなのか、食べに行ってきました。
川端商店街にあるシックでレトロ調のカレーハウス
川端商店街にある伽哩本舗本店の外観
市営地下鉄中洲川端から川端商店街へ、そのままアーケードに沿って真っ直ぐ進んでいくと木をふんだんに使った個性的なカレーレストランがあります。存在感のあるレトロ調のお店、看板には「伽哩本舗」の文字。昔の味をそのままに…と書かれたタペストリーがあります。
店内は一面の木、とても柔らかい雰囲気。
各所に配された昭和レトロアイテムの数々
壁に掛かっているのはレトロな振り子時計
扉を開けて中に入ると外観から想像したよりも遥かに広い店内、木材がふんだんに使われていてとても柔らかい雰囲気。照明は抑えられていて少し薄暗い店内に、懐かしいレトロなアイテムが配置されています。
「伽哩本舗本店」のメニュー
店頭にあった一覧メニュー
独立したポップメニュー
ちょうど来店したのが13時頃ということで、昼一番のピーク直後ぐらいだったでしょうか。まだまだ店内の8割くらい席が埋まった状態、やっと少し余裕が出てきたところのようです。もう少し時間をずらしたほうがよかったか…と思いつつも、スタッフの案内でテーブル席へ。
注文するものは決まっているんだけれども、とりあえず一通りチェック。メニューは焼カレー、煮込みカレー、スープカレーを中心に欧風カレーのメニューがずらり。
焼カレーメニュー
- ビーフ焼カレー
- ポークの焼カレー
- 鶏肉の焼カレー
- 野菜(ナス・トマト・ジャガイモ他)の焼きカレー
- シーフード焼カレー
- スペシャル焼カレー
- スペアリブの焼カレー
- 昔の焼カレー
煮込みカレー
- ビーフカレー
- ナスと挽肉のキーマカレー
- ハンバーグカレー
- ポークカレー
- チキンカレー
- 野菜(ナス・トマト・ジャガイモ他)カレー
- 漁師風海鮮カレー
- スペアリブのカレー
スープカレー
- 海鮮のスープカレー
- 鶏肉のスープカレー
- 野菜(ナス・トマト・ジャガイモ他)のスープカレー
- カシミール風特製海鮮ープカレー
といったレギュラーカレーメニューにトッピングやパン、フォカッチャ、タンドリーチキン、生ハムサラダといったメニュー。小カレーにすると50円引き、他にもドリンクやサラダ、ジェラートとのセットメニューもありますね。かなりのバリエーション、これも人気の秘密なのでしょう。
「昔の焼カレー」元祖の味です
焼カレーの元祖、昔の焼カレー
注文したのはもちろん昭和30年頃の焼カレーそのままという「昔の焼カレー」です、忙しそうな割にはそれほど待たずに出てきました。
伽哩本舗の公式サイトによると、最初の焼カレーにはチーズをのせていなかったのだとか。なぜチーズをのせるようになったかというと、昔のオーブンは今ほど性能が良くなく長時間焼く必要があり、そうすると玉子が破裂してしまう。そこでチーズで玉子に蓋をするようにのせてみると、玉子は破裂せずに綺麗に仕上がったのだとか。
この製法で焼カレーの特許を取得したそうです。
玉子を潰さずに、そのままプレーンな焼カレーを一口
オーブンで焼かれていたためか、出てきてしばらくはグツグツと煮立っているカレーソース。玉子は半熟に仕上がっているようで、これまた美味しそう。まずは玉子を潰さずに、カレーそのものを味わおうと一口パクリ。
ぐぬぬ…カレーがすんごくマイルドで濃厚、すんごく深いコクのある味。これは美味しい。
チーズで守られていた玉子はバッチリ半熟、黄味がトロリと広がります。
黄味とカレーとライスとチーズ、絶妙に味が絡み合う焼カレーのカルテット。
真ん中にあった玉子を潰してみると、見事な半熟状態で黄味がトロリと表面に広がっていきます。この玉子を絡めてカレーを食べると更にコクが出て、そこにほんのりチーズの風味が混ざって絶妙な美味しさ。カレーを焼いているので味が凝縮されていて、玉子がかかっても全く薄くなる事もありません。もとのカレーが美味しいからこそ、このバランスが保たれているんでしょう。
具として入っている肉も柔らかくて、味がギュッと詰まっています。
チーズを少し多めに絡めて食べると、プロセスチーズの濃厚な味がすんごく美味しい。
いやいやいや、もう美味しくて止まりませんね。ただ一つだけ言う事があるとすれば、もっとたくさんカレーかけて…ほんと美味しいんですよ、このカレー。美味しいカレーを焼いて、さらに味を凝縮させているので、コクと旨味が凄い事になっています。
テーブルにあった野菜を漬けたもの、ピクルスかな?
せっかくなので焼カレーにオン!
備え付けてあった野菜のピクルス、浅漬けのような感じで味つけは控えめ、野菜本来の味を活かした漬け方。これがとても爽やかで、味を切る役目をしてくれます。野菜を一口食べてから焼カレーを食べると、再びフレッシュな美味しさが口の中に広がります。この脇役、いい仕事しますね。
他とは違う元祖の味でした
焼カレーを食べるのは初めてじゃなかったんだけれども、元祖の焼カレーを食べてみて思い浮かぶのはシンプルイズベストという使い古された言葉。今まで食べてきた焼カレーというのは、表面にチーズが敷き詰めてあってチーズ焼きカレーになっていたんです。しかし公式サイトを見てみると、焼カレーにチーズが必須だったのではなく、玉子を使いたいけど高温で長時間焼くと破裂する。それを防ぐために、玉子の被膜として使っていただけ。焼カレーの美味しさの魅力は、焼くことによって凝縮され濃厚になったカレーソースなのだそうです。
チーズはカレーとよく合うので美味しいんだけれども、焼カレーの根幹ではないという事ですね。
いずれにしてもこの焼カレー、とにかく味が濃厚でまろやか、本当に美味しいカレー。今から約70年くらい前に生まれた元祖の味、ぜひ一度は味わってもらいたいですね。それにしても、元祖焼カレー店の発祥が博多だったとは…知りませんでした。
「伽哩本舗本店」
住所:福岡市博多区上川端町6-135
営業時間:11:00から20:30(LO20:00)
定休日:年中無休
※この記事は私が訪れた時のものです、現状と異なる場合があります。最新情報、詳細はご自身で確認することをおすすめします。
伽哩本舗公式サイト⇒http://www.curry-honpo.com/
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