開発が進む街中で、ひっそりと忘れられたように佇む昭和の街並み。博多駅前1丁目にある昭和臭漂うレトロ空間がステキ過ぎたのでバッチリ撮ってきました。
承天寺横、博多駅前1丁目に残る昭和の面影、レトロ横丁
これは凄いね、思わずのけぞってしまうくらいのレトロスポットを発見しました。場所は博多駅前一丁目、ちょうど承天寺の横にある古い建物群。入り口からいきなりバリバリのレトロ臭、博多の昭和がココに残ってるよ!と、全力で主張しています。やっぱ博多は地方都市特有の垢ぬけなさというか、いい意味で変わらない古臭さがイメージによく合うんですよ。まあ今ではほとんど無くなりつつあって、地方都市の良さを自ら捨てていっているようで凄くもったいない。
凄いでしょ、この蔦の絡まり方。んでもって、向かって右の2階のまどが丸い。左の建物の構造も凄いよね、ベランダというべきなのか、デッキがついてます。今時の家はこんな構造にしませんよ。すごいな~、どこからどう見ても昭和レトロ。しかも現役ですからね、来た甲斐があるってもんです。
まだまだ入り口でビックリしちゃいけませんよ、中はもっとすごいんです。ということで中へ。
これこれ、こういう路地が昔は沢山あったんですよね
サッシはアルミになっていますが、板張りの外壁。壁をはい回る配管が時代の移り変わりを感じさせます。時代と共に便利になり、増えていったんでしょうね。
昔は建物が連なっていたのでしょうが、今は一部解体されて空地になっています。
昔の繁華街などでは建物同士がくっ付いて建っている事も多かったので、隣を壊すとこうなるんですよね。通常は壊した側が負担してお隣の家の壁をトタンなどで塞いで、補強工事をするんだけども、この家は切り離された部分がむき出しになっています。
こんな状態で放置されてるのも珍しい、貴重な家です。
この家の反対側を見てみると、ちゃんとトタンが張り付けてあります。こういう家はよく見ます。っていうか、めちゃめちゃ天気良いんですけど、目の前に建ってる高層ビルの日陰になってるんですよ。高層ビル建てちゃうと、こうやって日差しを遮られるんですね。反対する人の気持ちが良く分かります。おかげで写真も暗い。
気配を感じて振り返ってみると…ネコさんがコチラを伺っていました。怪しい人じゃないから吠えないでねって、番犬じゃないかw
けどこういう場所は、ネコなんかにとってみると住みやすいんでしょうね、雨を防げそうですし。
奥のほうにはまだ住んでいるみたいです。昭和の家ですねぇ、まだ下水が無かったころの名残り、臭突があります。テレビの同軸ケーブルが外配線なんですね、まだテレビが一般的じゃなかった頃の建物かもしれません。
こういう建物もあと30年くらいたてば、今でいう昭和初期から大正の建物くらいになるんですよ。古い建物は残そうという意志が無いと消えていく運命…諸行無常ですね。
西隣りの駐車場側から同じ家を見てみると、かなり傷みが酷い状態。もはや残すにも手遅れというか、残す気はないんでしょうね。今住んでいる人たちがいなくなったら、なにか建てるのでしょう。隣地は駐車場になっているので、まとまった広さが確保できそうですし。
こうやって古い町並みは失われていく。その光景をリアルタイムで見ているわけです。
この屋上に設置された物干し台というか、デッキスペース。今見ても斬新ですよね、新しい家も取り入れたらいいのに。
少し引いてみると、お隣は承天寺。
さっきの路地に戻ると、突き当りはお寺でした。向こうに見えているのは承天寺の仏殿です。
来た道を振り返ってみるとコンクリートで舗装された道、そして昭和の建物。この傷み具合が歴史を感じさせる、哀愁漂う道。
そして見上げると昼なお暗い、日光を遮る巨大なビル。
戻っていきながら見てみると、この建物も興味深い構造をしていますよ。
後から取って付けたような格子がありますけども、外側に棚のような台が付いていますね。以前は何か販売するお店だったのでしょうか。
昭和38年に博多駅が現在の場所に移転する前、明治から昭和まで博多駅はこの近くにありました。この建物が建てられた当時は、駅前の一等地だったのでしょう。おそらく、博多駅前繁華街の一角としてこの場所も存在していたんじゃないでしょうか。ここでいったいどんな歴史が刻まれてきたのか、どんな生活があったのか、とっても興味が沸いてきます。
そして路地を出て東側に隣接している駐車場から、建物の裏側を撮影。トタンの壁で窓が全くない、こちら側にも建物が建っていたと思われます。
そしてさらに少し東へ歩くと、博多千年門がありました。
古い建物にはその場所の歴史が刻まれています。僕たちはそれを見て過去に思いを馳せ、移り変わっていく世の儚さを知る。日本人の大好きな”寂び”を感じることが出来るんです。博多は古い物をスグ壊すのであんまり楽しくないと聞いていたのですが、まだまだ歩いてみるとこういう場所があります。いつまで見る事が出来るか分かりませんが、少しでも多くの建物が未来へと受け継がれて欲しいですね。
※この記事は私が訪れた時のものです、現況と異なっている場合があります。
最新情報をお届けします
Twitter でハカテンをフォローしよう!
Follow @haka_ten